授業・ワークショップ紹介
全国で行なわれているプログラミングの授業やワークショップの指導案・レポートを紹介します

プロジェクションで表現しよう

実施日
2016年7月 各学年50分×4時間
使用言語・教材
Kinect2Scratch
使用機材
タブレット端末①「VISUAMUSIO」+実物投影機+プロジェクター①+外部スピーカー①
タブレット端末②「VISUAMUSIO」+実物投影機+プロジェクター②+外部スピーカー②
タブレット端末③「prspctv」+プロジェクター③
ノートPC①「スクラッチ」+キネクト①+プロジェクター④
ノートPC②「スクラッチ」+キネクト②+プロジェクター⑤
対象
中学部2年生
参加人数
30名
授業名
美術

とりくみのねらい・きっかけ

中学校学習指導要領(美術)では、「美術の表現の可能性を広げるために,写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアの積極的な活用を図るようにすること」が示され、さらに中学校学習指導要領解説(美術編)では、映像メディアの活用は「表現の幅を広げ、様々な表現の可能性を引き出すために重要である」とされている。本校はこれまでも、キネカリグラフィー、ライトドローイング、コマ撮りアニメーションなど様々な映像メディア表現の実践に取り組んできた。映像メディア表現では、①「映像を制作する」、②「映像での中で表現する」の2つのアプローチがあり、今回の授業はこのうち②にあたる。音と図形を投影した空間を友達と創り上げ、その中で映像から感じ取ったことやインタラクティブな動きを基にした身体表現による創造活動を行う。描画や造形とは異なる表現活動に主体的に参加することで、それぞれが工夫した表現を共同で創作できる体験をねらいとして授業を行った。子どもたち自身がプログラミングに取り組んだ実践ではないが、Kinect2Scratchにより、スクラッチでキネクトを制御することができたため、授業のテーマやねらいに沿った映像をあらかじめ準備することができ、子どもたちのよりクリエイティブな表現を引き出すことが可能となった。

この授業は、「YouthSpark: Programming for all」Microsoft × CANVASによるプロジェクトの一環で実施をしております。

とりくみの内容

 

<参考資料>
・授業の中で使用したプロジェクションマッピングアプリの紹介:http://blog.ict-in-education.jp/entry/2017/08/05/122532
・石神井特別支援学校の「デジタル作品づくり」の実践について:https://edtechzine.jp/article/detail/328

 

<授業の流れ>

■1日目(1時間目・2時間目)
[プロジェクションについて知る]
①映像作品を鑑賞する。
 「プロジェクション」について知り、参考作品を鑑賞する。
②映像空間で身体を動かして表現を体験する。


■2日目(3時間目・4時間目)
[音楽表現について知る]
① 音楽表現を楽しむ
「VISUAMUSIO」アプリを活用して、タブレット端末を指で操作しながら、
図形で構成されたデザインと即興の音楽を創作する。
② 友だちの創作する音楽に合わせて身体表現を行う。
あらかじめ「VISUAMUSIO」の前で身体表現を行い、撮影して
それらが投影された映像空間の中で、友達の創作するビジュアルミュージックに
合わせ、インタラクティブな映像を見ながら表現活動を行う。


■3日目(5時間目・6時間目)
[友だちの創作する音楽に合わせて身体表現を行う]
1~4時間目の内容を振り返りながら、旗などの素材を生かした表現活動や友達と共同で
表現活動を工夫して行う。


■4日目(7時間目・8時間目)
[友だちの創作する音楽に合わせて身体表現を行う・お互いの身体表現映像を鑑賞する]
旗などの素材を生かした表現活動や友達と共同で表現活動を工夫して行った後、今までのパフォーマンスを映像として鑑賞する。

指導・ファシリテーションの工夫

プロジェクターで投影する映像のスペースを確保するために、あらかじめ床をテープで区切り、表現する位置や鑑賞する場所を視覚的に分かりやすく示した。 映像を投影できる白い旗等も用意し、表現することが苦手な生徒は旗を持って表現したりアイデアを出せたりできるように工夫をした。また、映像の前でたくさん身体を動かすことだけが表現と捉えないよう、静かに佇んだり動く図形の映像をゆっくり触れたりする表現も取り上げ、それぞれの子どもたちの表現を丁寧に評価するようにした。

評価・振り返り

普段見慣れている教室がいつもと異なる空間に変わり新鮮な体験ができる点、その空間自体を子どもたち自身が協力してクリエイティブに創り出している点が、この授業の特徴である。さらにキネクトを活用し、映像の中でインタラクティブに表現することが可能になったことで、子どもたちはとても意欲的になり、いつもは見られないような動きを工夫して表現するなど、毎回とても楽しみに参加する様子が見られた。

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