とりくみ紹介
全国の学校や自治体、団体や企業によるプログラミング教育のとりくみを紹介します。

宮城県仙台第三高等学校SSHクラブ(情報班)

代表 : 西澤 硬

宮城

担当教諭名
講師:高校生6名(3年生1名、2年生2名、1年生3名)
顧問:西澤 硬
コーディネーター:菅井 道子
実施日
仙台第三高等学校文化祭(一般公開日) 2018年9月1日(土)
1回目:10:30~11:20  2回目:13:30~14:20
(学校文化祭の一般公開日に50分×2回)
対象・定員
受講者:小学生 1回目6名 2回目7名
使用言語・教材
Scratch
使用機材
デスクトップPC(Windows10)

概要

仙台第三高等学校には、SSHクラブという理数系の探究活動をするための部活動があり、その中に情報系の活動を行う情報班があります。(SSH:Super Science Highschool)今回、学校文化祭において、SSHクラブ(情報班)の生徒が主体的に計画した小学生対象のプログラミング教室を実施しました。 高校生たちは、東北大学にて開催されたプログラミング教育に関するセミナーを受講して、そこに参加していた大学等の先生方から2020年から始まる小学校でのプログラミング教育について学んでから、プログラミング教室のデザインをしました。教える内容はプログラミングの三要素である「順次」「選択」「繰り返し」を意識し、プログラミング初体験である小学生が楽しめるようにと音を出すなどの工夫をしました。

プログラミング教室を受講した小学生は、最初はプログラミングについて、難しそうだけれども楽しそうでもあるとのイメージを持っていた様子でしたが、受講後は、「思っていたよりも簡単で楽しかった。」、「おうちでもやってみたい。」との感想を持たれたようでした。また、お子さんと一緒に受講した保護者には、「面白そうだと思った。」、「高校生のお兄さん、お姉さんが子供たち目線でやさしくわかりやすく教えてくれて良かった。」、「家でも触る機会を増やしてあげたい。」などの好印象を持っていただけたようです。

好感触があった一方で難しいと感じていた受講者もいたことから、今後は教える内容と教え方の改善を図って、文化祭での小学生向けプログラミング教室を定番化していきたいと考えています。

とりくみのねらい・きっかけ

プログラミング好きな高校生たちが、
・学校文化祭において、小学生向けにプログラミング教室を開き、
 小学生にプログラミングの楽しさや面白さを伝え、プログラミングに興味を持ってもらいたい
・この活動のノウハウを他校の高校生と共有し、高校生によるプログラミング教室を増やしていきたい
という思いで始めた活動です。

プログラミングが好きであっても人にわかりやすく教えることは別物であることから、この活動を通して、高校生には教えることの難しさ、楽しさ、喜びなどを体感してもらうために、教員はほとんど手を貸さずに、高校生たちに主体的に動いてもらってプログラミング教室を運営してもらいました。

小学生には、大人よりも小学生に年齢が近く、小学生の気持ちがより理解できると思われる高校生にプログラミングを教えてもらうと楽しく学んでもらえるのではないかと思いました。その一方で、初めてプログラミングに触れる小学生もいることを考えると、教え方を間違えるとプログラミング嫌いになりかねないことから、高校生には慎重になってもらう必要がありましたので、文部科学省が公表している2020年以降のプログラミング教育に関する資料等をしっかり読んで理解し、関連するセミナーを受講して教え方について学んでもらいました。

受講者である小学生の保護者にとっては、「プログラミング教育に興味はあるので、どのようなものか少しでも体験してみたい。」という思いを実現できる機会になり、「難しい」とのイメージを払拭できれば、家で子どもと一緒にできるのではないかと考えました。 かつてプログラミング教室に子どもを参加させたという保護者の方からの「プログラミング教室に参加したのちに、家に帰ってから子どもがそこで使った教材をねだって困った。」との意見も踏まえて、あえて購入が必要な教材は使用しないプログラミング教室にしたことも、このプログラミング教室のポイントです。