とりくみ紹介
全国の学校や自治体、団体や企業によるプログラミング教育のとりくみを紹介します。

商業高校情報処理科のとりくみ

代表 : 浅井智仁 教諭(高等学校情報処理科担当)
実施日
高校2年生 プログラミング 50分授業×週5時間
高校3年生 総合実践 50分授業×週3時間
使用言語・教材
Excel VBA、手作りプリント
使用機材
デスクトップPC
対象
情報処理科80名 高校2~3年生
教科
2年生 情報処理科「プログラミング」
3年生 情報処理科「総合実践」

概要

商業科1年生はくくり募集のため、商業科目の基礎科目を学びます。2年生から学科選択で情報処理に興味を持った生徒は情報処理科を希望します。
その2年生からプリントに従ってプログラムの基礎を学習しています。検定試験として全国商業高等学校主催情報処理検定プログラミング部門の2級を9月に、1級を1月に受験および合格を目指します。プリントは基本的にそれを受験できるように作成されており、実習を中心に進めていきます。
3年生の総合実践では2年生で身につけたプログラムの基礎から、各自(2~3人の班編制)でプログラムを作成しています。プログラミングの内容としてはデータ処理を原則とし、初めの頃はある程度のテーマやデータを与えて処理をするように促します。Excel上で動かすため、シートをうまく活用させることも、指導の一つとしています。だんだん与える条件を減らして、自分たちでデータも準備して実行できるようにさせていきます。
ある程度データ処理ができるようになった時点で、卒業作品として、全くテーマを与えないで完全フリーの作品を作ってもらいます。そこまでに興味を持った生徒はインターネット等で調べて、ゲーム的な要素が強いものや、データを使わない処理なども作っていきます。最終的の完成したプログラムを全体の前でプレゼンテーションをします。中にはそのプレゼンテーションをするためのプログラムを作る生徒もいました。

とりくみのねらい・きっかけ

プログラミング学習の導入は文部科学省の商業科学習指導要領に則って行っています。商業科は言語がJavaかExcel VBAのどちらかと決められており、Javaはビジュアル的に楽しくなるまでに時間がかかる上、生徒の自宅PCでJavaの設定を一人でやることはかなり敷居が高いです。Excel VBAであれば、シート上での動きを見せるだけで楽しいと感じやすく、興味を持ってもらいやすいし、通常に市販されているPCであればほとんどの確率でExcelは入っているので設定がいえいません。そのためExcel VBAを選択しました。
学習の狙いは大きく2つ。1つは資格取得のため。上述の検定試験だけではなく、経済産業省の基本情報技術者試験への受験もできるように、アルゴリズムの問題理解および選択でマクロ言語にて受験できるようにさせるためです。もう1つはプログラミングの楽しさを理解させ、その中から1人でもこの道のプロフェッショナルに進む生徒が出るといいと思ったことです。ただ商業科は文系の学科であり、大学進学するとどうしても情報系は理系になる。そこで基本情報を取得させ、資格を生かした進学ができるように考えました。それでも実際問題としてかなり門戸は狭く、進学したいという生徒は自ら理系の数学を学習する必要があり、なかなか実績は伴っていません。