とりくみ紹介
全国の学校や自治体、団体や企業によるプログラミング教育のとりくみを紹介します。

北上コンピュータ・アカデミー

使用言語・教材
Scratch、Raspberry Pi
対象
小学生
実施日
夏休み期間

概要

北上コンピュータ・アカデミーは、岩手県北上市で国が平成3年に情報処理技術者養成のため開校した職業訓練校です。職業訓練法人北上情報処理学園が運営している2年制の学校で、コンピュータ・ビジネス科とコンピュータ・システム科が設置されています。それぞれの科でさらに2コースに分かれた編成になっており、各コースの特色をいかした学習内容になっています。

本校では、学生のITスキルと共に社会人力養成にも力を入れており、地場の各団体と協業しながら、モノゴトづくりに励んでいます。あらゆる産業でITを活用する力が求められており、地方でも例外ではありません。

そのため、本校では学生のみならず、定期的に一般の方向けの講習や、産学官連携のプロジェクト、また、地域の子供達へのIT教育にも取組み、地域のITスキル底上げのため、継続的な活動を続けています。間もなく実施される、小学校のプログラミング教育導入につきましても、弊校でできることに取組んでいこうという思いから、PEGの活動や、地域の教職員向けの啓蒙活動を行っております。

とりくみのきっかけ・ねらい

世の中には、システマチックに動いているものが実に数多くあります。一方で、それらの中身がどのようになっているか、身近なモノゴトですら考えることを放棄しているように見受けられる学生達も残念ながらおりました。

海外では、ITから既存の仕組みが変わる異例も数多く見受けられ、国内の一地域にある学校ながらも、IT活用力の格差は看過できない状況になっています。プログラミング分野においては、プログラムの技術的な面を学ぶことももちろん大切ですが、プログラムをどのように活用するのか、といったスタンスの醸成は本校でも大きな課題です。

身近な課題に気づいていながらどこか他人任せで、自分たちで解決するための手段・手法を生み出せるにも関わらず、「0 to 1」のマインドセットが生まれない現状をなんとか変えていき、地域の底上げ、大きくは産業や国の活性化に繋げていかなければなりません。インターネットなどのテクノロジーの進化によって、上質な学びを得るための物理的な制限がどんどんなくなってきました。ならびに、PEGのような非常に優秀なスタッフの方々による優れたプラットフォームも展開され、中長期の視点にたったITを積極的に取り入れた学びの仕組みを導入していく必要があります。

スクラッチなどの視覚的なプログラミング学習形態を用いることによって、本来の子供達に備わっている、好奇心から生まれる主体的な学びの力が引き出せると感じています。イテレーションの速さ、他人との共有のしやすさによって、学習が加速度的に促される仕組みは非常に有用です。

また、ラズベリーパイの手軽さと拡張性によって、多くの既存科目と関連付けられることは魅力的です。また、リーズナブルな値段でもあり、家庭でも導入がしやすいため、子供達が遊びの延長で学習する環境が整っていることは非常に喜ばしいです。上記の点から、本校でもプログラムというだけでアレルギー反応を起こすような学生に対しても、プログラム的な考えとプログラムそのものの習得に寄与できると考えていますし、プログラミングを深く学びたい学生にも十分魅力的な分野と捉えてもらえると期待しています。最終的には、誰でもどこでもプログラミングの素養が発揮できる環境を整え、ITの面からも様々なモノゴトに果敢に挑戦するようなマインドセットを、本校学生や地域に根付かせていきたいと考えています。

とりくみの内容

・「夏休み特別企画・IT教室:ラズベリーパイとスクラッチを使ってみよう」
・「高校教員PC講座:STEM教育・プログラミング教育に向けた視覚的プログラミングの紹介」

ワークショップの流れ

①趣旨の説明
②ラズベリーパイの接続・起動
③ラズベリーパイ(OS)の操作
④スクラッチの基本
⑤猫から逃げろの定型ワーク
⑥自由拡張